更新日:2008年06月24日
6/15(日)〜6/27(金)
※6/18(水)は休映になります。
2007年/ルーマニア/113分/カラー
監督/クリスティアン・ムンジウ
出演:アナマリア・マリンカ/ローラ・ヴァシリウ/ヴラド・イヴァノフ
女子大生のオディリアが、同級生のガビツァの中絶手術のために苦労して走り回る1日の物語。シンプルなお話だが、異様な緊張感が全体を支配する。舞台となるのは1987年のルーマニア。独裁政権下で兵力増強の国策がしかれていたため、中絶は重罪なのだ。そのことがわからないと、登場事物たちの気持ちが理解できないから要注意。女性達だけでなく、中絶をする医師までもが、まるで密売でもしているように、ピリピリと神経を張りつめているさまは異様だ。また妊娠した当事者が、意外に呑気で、主人公の焦りが生々しく伝わってくる。かつてルーマニアで、そして今もどこかの国で、似た様な状況は続いている。
なお、この作品は昨年のカンヌ国際映画祭で最優秀グランプリにあたるパルムドールを与えられた。
映画の背景となる時代。ルーマニアはチャウシェスク大統領という独裁者とその家族経に支配されていた。その様は《王朝》と呼ばれるほどだったが、国民は不況にあえいでいた。
政府は軍事力の増強のため、出産を奨励した。それだけでなく、中絶はもちろん避妊までも禁止。しかし不況の中で、家族を増やすのは無理。そこで中絶の医者が必要になる。
しかし当時は密告による監視社会であった。登場人物のイラダチは、そんな時代の悪夢を象徴している。また逆に主人公の見返りを求めない奔走ぶりは、当時を知るルーマニアの人々にとって、感動的なほどの自己犠牲に見えるらしい。ちなみのこの時代、日本はバブル。同世代の女子大生は、ディスコで扇子をふっていた。(真)
桜坂劇場:〒900-0013 沖縄県那覇市牧志3-6-10
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